暮らし

葬儀をきっかけに再び考える思い出の時間

同級生のお母さんが亡くなった。友人がそう連絡してきたのが一昨日のことだ。中学校くらいまでは毎日一緒に登校していた友だちのお母さん。卒業間近には連絡をくれた友人と彼女の家に泊まり込んで、夜遅くまでおしゃべりしたりしたものだ。明るい良いお母さんで、遊びに行くたびに美味しいものを作ってくれたし、お父さんと漫才のように冗談を言い合っては笑わせてくれたものだった。

「癌だったらしい」それでは闘病生活は長かったのだろうか。地元から離れた政令指定都市で就職していた私は、学生時代の友人たちと会う機会も少なく、自然と疎遠になっていたのかもしれない。同窓会の案内なんかは来ていたらしいが、仕事の都合が合わなかったりで参加したこともなかった。それでも改めて思い返すと、友人とそのお母さんのことが様々に思い出されてくる。友だち以外でこんなに関わりを持ったのは、彼女の両親くらいだと言ってよかった。

「彼女はどうしてる?」私のその問いに、友人はしばらく沈黙で答えた。「私、お通夜とお葬式に行くけど、どちらかでも来られる?」今度は私が答える番だ。「両方行くよ。会社には理由を話して、休みをもらう。久しぶりに実家にも帰りたいし」思わずそう答えていた。でも、これで帰らないという選択肢は私にはなかったのだ。お通夜の夜に待ち合わせをして、一緒に行くことにした。

上司に理由を説明して、有給休暇を使うことにする。そう言えば香典は、どのくらい包めばいいのだろう。友人に確認しておけばよかった。黒のスーツを持参して、タイツはそれまでに用意してと色々なことが頭に浮かぶ。しばらくぶりの帰郷が悲しいものになるのは残念だけれど、懐かしい友人たちに会えるのは楽しみだ。失った時を取り戻すことは出来ないが、再び始めることは出来るかもしれない。お世話になった彼女のお母さんにお礼とお別れの挨拶を言うことが出来たら、もう1度始めてみよう。

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