介護用品はつねに適切なものを利用するのが大前提です。この点が一般的な日用品とは異なる点で、介護を受ける人の健康状態や生活環境などを把握し、変化に対応したうえで適時使用するものを切り換えていく必要があるのです。加齢や病気・ケガの進行などによってこれまで使っていた介護用品が適切ではなくなってしまった場合、「もったいないから」といって使い続けていても不都合が生じるばかりか体への負担を増してしまいます。長く大事に使い続けるのがよいこととは言えないのが難しいところなのです。
こうした事情から介護用品の使用はレンタルがオススメです。購入した方が気兼ねなく利用できる、自分が本当に気に入ったものを選ぶことができるといったメリットが得られるように思えますが、冒頭に挙げたように購入した介護用品が長い間最適な選択肢として使用し続けられるかどうかは未知数です。購入した時は最高だと思ったものは数ヶ月も使用するうちに適さなくなってしまうケースも少なくないのです。
新しい介護用品への切り替えが必要になるたびに購入するのではいくら介護保険制度の適用を受けているといっても経済的な負担が大きすぎてしまうでしょう。
また歩行器や車椅子といった場所をとる介護用品の場合、必要なくなった場合に場所をとってしまいますし、処分するといってもいろいろと面倒な部分も出てきます。レンタルなら使用が適さなくなった介護用品を新しいものに交換することができますから、処分に困るといったこともあります。
このように、介護用品はレンタルを利用するのがもっとも賢い選択肢といってもよいのですが、扱っている業者によって種類や範囲が異なっているほか、ケアマネージャーと相談したうえでどの業者でレンタルを利用するかどうかを決めていく必要があります。使用する介護用品を選ぶ際にはケアマネージャーと業者の専門相談員が話し合って決める部分が大きいのですが、本人や家族もどういった介護用品を利用できるのか、それを使用することでどういったメリットが得られるのかといったことをできるだけ把握しておくことが求められます。